新時代の安定とは?現役が語る大企業の実態と新時代の生き方5つ

著者

著者は新卒から大手金融機関に10年以上勤め続けているバリバリ営業マンです。

会社の社員数は全国で5万人以上。就職したい会社ランキングにもよく名前が出る会社です。

そして今まで数えきれない人に同じことを聞かれました。

 

やっぱり大企業だからメチャクチャ安定してるんでしょ?
将来の不安がなくて本当に良いよね~
やっぱり大企業って平均よりも生涯年収がずっと多いんでしょ?
親や奥さんも自慢顔だよね!

 

始めに断言します。大企業は全く安定していません。大企業が安定していたのは旧時代までの話です。今や世の中は劇的に変わりました。

 

この記事では大企業のリアルをあますことなくぶっちゃけます。大企業に就職・転職を考えている人は参考にしてください。

 

あわせて、新時代の安定についても解説します。大切なことは「個の力」を伸ばすということです。個の力を伸ばすための具体策についても解説します。

おしながき

旧時代と新時代、安定の『定義』が変わった

 

多くの人が「安定」を誤解しているので改めて説明します。安定には「会社の安定」と「社員の安定」の二つがあります。

1.会社の安定とは?

今後会社がどれだけ長い間存続し続けていけるか、ということです。

 

大企業は長い間蓄えてきたお金や資本があります。リーマンショックや新型コロナのような世の中が危機的な状態に陥っても存続し続けられる可能性が高い(倒産の可能性は低い)ということになります。

 

これが「会社の安定」の定義です。

2.社員の安定とは?

社員がどれだけ長い間活躍し続けていけるか、ということです。

 

ところが、大企業の社員であったとしても長い間活躍し続けていけるかどうかの保証は何もありません。

 

AIやITの革新により仕事が半減すると言われています。私たち銀行マンなどは仕事が無くなる代表例です。多くの銀行員が転職探しに躍起になっているのが現状です。

 

つまり大企業にいても安定ではないということです。多くの人が「会社の安定」を「社員の安定」と勘違いしているのです。

3.旧時代と新時代の「安定」の違い

下図をご覧ください。旧時代と新時代の安定の違いについて図解しました。

 

「大企業は安定してる!」と考えている人は30年前の思考で止まっています。今や会社の安定と社員の安定は全く違うものなのです。

 

 

4.ジェネレーションギャップは生まれる

それでも世代間によって「安定」の感覚は違います。

大企業で長く勤めてきた年長者は会社に守られてずっといい思いをしてきました。

安定の定義が変わったことに全く気付いていないのです。

年長者の勘違い

「なんだかんだ言ったってやっぱり大企業が一番!」

「俺らが退職するまでは世の中何も変わらないさ」

「自分一人が何かやろうとしたって何も変わらないんだ。定年まで会社に何とかしがみついていた方がいいに決まってる」

 

45歳以上のリストラがあちこちで始まっているというのに気づいていない中年層がどれだけ多いことか。私の周りにもこのような人間が本当に多い。

 

自分の将来のことを年長者に相談してはダメですよ。

今大企業に何が起きているのか? - 安定だったのは一昔前の話 ー

1.大企業は大幅な若返りを進めている

大企業で起こっているリストラ

・大企業が次々とリストラ策を進めている(2019年にリストラを進めた企業は36社)

・黒字であってもリストラする

・大企業がこぞって45歳リストラ時代の到来

 

大企業は45歳以上の使えない社員をこぞって退職させようとしています。使えないロートル社員ではなく、賃金が安くITスキルが高い若手社員の採用に大きくシフトしているわけです。

ついに始まった45歳以上の大量リストラ

 

 

「大企業は社員を守ってくれる」という神話は過去のもの。むしろ今は大企業が積極的に使えない社員をリストラしようとしているのです。

 

2.大手銀行や金融機関での大量のリストラ

銀行の大リストラ策
・みずほフィナンシャルグループ ⇒ 1万9000人のリストラ
・三菱UFJフィナンシャルグループ ⇒ 9500人のリストラ
・三井住友フィナンシャルグループ ⇒ 4000人のリストラ 

3大メガバンクは合計3.5万人以上の早期退職希望者を募りました。

このように今まで安泰だった業界がいきなりドン底に落ちてしまう可能性があるのです。

 

特定の業界だけがいつまでも安泰ということはあり得ません。

3.大経営者の本音発言

日本を代表する経営者であるトヨタの豊田章男社長はこのように発言しています。

大企業経営層の本音でして、世の中の会社が終身雇用の廃止を通達するのももはや時間の問題です。

 

トヨタ・豊田章男社長:雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた

4.大企業の意外なデメリット

 

意外と知られていない大企業に所属するデメリットをご案内します。

  • 減点方式の人事制度
  • 社外で生かせるスキルが全く身に付かない
  • 外部の風が全く入らない
  • ヘッドハンティングされる可能性がゼロ
  • 女性社員の出世優遇

減点方式の人事制度

  • とにかく上司は神
  • 上司から怒られたり、嫌われたり、仕事に失敗したら減点される(減点式の人事ルール)
  • 出世したいなら、とにかく上司に怒られないように立ち回るのが超重要
  • 部下は上司を選べない(酷い上司の下で働くという最悪のリスク)
  • 大企業には小利口が多いので立ち回りもうまい社員が多い

 

✔客先とトラブルになり「上司を出せ」と言われた⇒上司から減点×
✔融資先が倒産してしまった⇒会社から減点×
✔パワハラ上司に対して意を決して意見を述べる⇒上司から減点×
✔上司の方針と自分の考えに相違があるため意見を戦わせる⇒上司から減点×
✔部下が突然出社しなくなってしまった⇒会社から減点×

 

良い上司や悪い上司に巡り合うのは確率の問題です。部下は上司を選べませんから。人間ですから合う上司・合わない上司など相性は必ず出てきます。

 

合わない上司と巡り合ったら最悪です。合わない上司に自分の人生を握られるわけです。

 

勝手な人事都合で相性の悪い上司に自分の人生を握られる・・・それこそ大企業は大きなリスクが伴うと思いませんか?

 

社外で生かせるスキルが全く身に付かない

  • 超タテ割り文化
  • 会社や世の中のことよりも目の前の営業数字や些末な作業が最重要(木を見て森を見ず)
  • 多すぎる社内独自ルール

 

社外で使わない具体例
✔エクセルで社内独自に作ったソフト(社内では超重要)⇒社外では全く不要×
✔金融機関のコンプライアンス業務(社内では超重要)⇒社外では全く不要×
✔社内で使用する特殊な用語(社内では知らないと笑われる)⇒社外では全く不要×

 

私が尊敬する数少ない部長(50歳)が二人で飲んでいるときにこう言いました。

 

 「自分なんか何のスキルもない。退職後どう生きていくか不安で不安でしょうがない・・・」

 

この言葉を聞いたとき、今の仕事に対する不安が決定的なものとなりました。

外部の風が入らない

  • 転職者の採用がほとんどゼロ(辞める社員や危機感のある上層部がいないから)
  • 退職者を見下す空気
  • 職場結婚が7~8割を占める

大企業には会社にしがみついている人間が多いですから転職者の採用は殆ど行われません。

 

そして、全社員が組織に毒されているので退職者を見下します。退職者と交流を続ける人なんてほとんどいません。

 

また社外との交流が極端に少ないため社内恋愛・職場結婚が7~8割を占めます。

 

プライベートでも会社の考えが常識となるため余計外部の風が入らなくなるのです。

ヘッドハンティングされる可能性がほぼゼロ

  • 社外から必要とされるスキルが身に付かない
  • 社内政治に強くなったりごますりをして社内にしか通用しない人間を多数輩出
  • 当然ヘッドハンティングなどされるわけがない

著者は今の会社で働いて10年以上経ちますが、周りでヘッドハンティングされたことがあるという上司や同僚を聞いたことがありません。

 

社員5万人もいるのにですよ。どれだけ世の中に必要とされていないのか・・・

 

これが大企業社員の現実なのです。

 

女性社員の出世優遇(女性管理職の急増)

  • 先進国からみて極端に女性管理職が少ない日本
  • 国は大企業に対して女性管理職を一気に増やすよう指示を出している
  • 目立つ女性社員であれば実力がなくても昇進できる環境
  • 男性の昇進は女性に比べて二の次三の次(男なら勝手に頑張るだろうという空気)

意外と語られていませんが、この事実は(特に金融機関内では)大きな問題になっています。

 

 ✔泥臭く頑張っている男性社員が昇進できない

 ✔ちょっとでも目立ったり上司に目をかけられる女性はどんどん出世する

 ✔営業経験が全く無い女性上司が現場にチンプンカンプンな指示を出す

 

女性マネージャーの過剰な輩出は色々なところに組織のひずみが生じています。

 

これが大企業の実態です。みなさん、魅力的に感じますか??

新時代の「安定職業」とは?

これからの時代本当に安定したい人は個の力を伸ばすしかありません。

上記したとおり、大企業も公務員もこの先どうなるか分からないのですから。

 

個の力をつけて世の中をサバイバルできる力。

会社に依存しなくてもいい個の力。

自分一人で飯を食っていける個の力。これらを伸ばしていくことが安定した職業に直結するのです。

 

「えー、個の力の伸ばし方なんて分からないよ」・・・嘆きが聞こえてきそうです。

ここで皆さんに衝撃的な話をしましょう。

 

日本人サラリーマンの平均勉強時間って何時間か知っていますか?

・・・

答えは6分です。

この答えを見てどう感じるでしょうか?

日本人サラリーマンはどう考えても勉強してなさすぎです。

大企業に何が何でもカジリつきなくなるのは必然ですよね・・・

 

ただ僕はこう考えます。「これってチャンスじゃん・・・」と。

なぜなら自分さえしっかり勉強し続ければライバルをすぐ追い抜けるんですから。

 

逆を言えば、自分さえしっかり勉強し続ければ大きなチャンスが来るということです。

これからの時代に安定する個人の考え方

間違いなく「個の時代」がやってくる!

 

これからは「個の時代」が必ずやってきます。大企業や組織以上に個の影響力や発言力が注目されやすい時代がやってくるということです。

 

 

それを聞いてあなたは不安に思いますか?それともワクワクしますか?私はとてもワクワクしています。

 

 

なぜなら個の力さえあれば、つまらない大企業や組織に依存することなく自分の行動や発言で世の中に大きな影響を与えることが出来るんですよ。

そんな時代楽しいに決まっているじゃないですか。

 

 

反対に「大企業=安定」と信じている人たちには大きな試練が待っているでしょう。

 

今まで自分の頭を使って考えてこなかった人たちが、いきなり「個の力を発揮しろ!」と言われても何もできないからです。

 

 

その事実を知らされて、あなたはどう考えますか?

 

何も行動しないか、来たるべき個の時代に向けて準備するか・・・選ぶのはあなた次第です。

結局頼れるのは自分しかいない

次の質問に答えてみてください。

・ピンチになったとき会社や上司が守ってくれますか?

・困ったとき親が守ってくれますか?

・困り果てたとき奥さんや友達が守ってくれますか?

・体裁を気にすることで社会から守られることはありますか?

 

結局頼れるのは自分しかいません。いい加減他人に振り回されたり、他人任せの人生をここらへんで辞めにしませんか?

自分らしさに気づけ!

ではこれから迎える「個の時代」に私たちは何をすればいいのでしょうか?

まずは自分の好きなことを見つけるところから始めましょう

 

「好きなことなんて考えたことない!」と思う人が多いでしょう。好きなことを見つけるためには「自分らしさ」に気づく必要があります。

 

なぜ「自分らしさ」と「好きなこと」がリンクするのか?

その答えは以下の記事に記載しています。ぜひこちらの記事を参考にしてください。

 

個の時代は自分が主役になる時代です。主役になるためには自分ならではの強みが必要です。

自分の強みをつくるためにも早く「自分らしさ」に気づいて自分ブランドを育ててください。

ブランド人になれ!

[田端信太郎]のブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book)

個の時代の代表的なサラリーマンに「田端信太郎さん」という人がいます。

NTTデータやリクルートで活躍し、野球選手並みの給料をもらって名だたる企業を渡り歩いているサラリーマンです。

 

この田端さんは世のサラリーマンに辛辣な言葉を投げかけています。

✔これからは「最強サラリーマンの時代」がやってくる!

✔個人の名前で仕事をもらえ!

✔フォロワー1000人いかないやつは終わってる!

✔会社にどれだけ大損させられるかがあなたの価値だ!

✔サラリーマンほどリスクを背負える立場はない!

 

これから迎える個の時代に何を意識して動けばいいのか、思いっきりと気づかせてくれる本です。ぜひ読んでみてください。

⇒ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言 (NewsPicks Book)

 

安定したい個人が伸ばすべきスキルBEST5

ここでは個の力を身につけるために具体的な5つの考え方を説明します。

1.希少性を高める

個の時代に一番必要なのは「希少性」です。

ちょっと分かりにくいですが、概念を説明すると以下です。

希少性の具体的な考え方

・人間は1万時間費やせばその分野のプロになれる

・プロになれば、あなたは1/100の希少性があるということ

・プロの分野を2つにすれば、1/10,000の希少性を身につけることができる(1/100×1/100の掛け合わせ)

 (例えば、「営業」×「英語」など)

・プロの分野を3つにすれば、1/1,000,000の希少性を身につけることができる(1/100×1/100×1/100)

 (例えば、「営業」×「英語」×「プログラミング」とか)

・「一万分の一」「百万分の一」の希少性があれば一生安定!

この考え方を提唱しているのは藤原和博さん。

私は以下の本を読んで希少性を身につけることの重要性を痛感させられました。

今まで漫然と生きていた私が思いっきり目を覚ました一冊です。ぜひご一読ください。

 

藤原和博の必ず食える1%の人になる方法

100万人に1人の存在になる方法 不透明な未来を生き延びるための人生戦略

 

百万分の一の存在になれればあなたは究極の「安定した人間」です。希少性を身につけるための努力を早くしていきましょう。

著者が続けている希少性を高める習慣

希少性を上げるために著者が始めたこと
✔ブログを始める
✔得意なコミュニケーションについてもう一回勉強する
✔自分の好きなことを見つめなおす
✔毎月10冊の読書でインプットする

 

著者が得意とするコミュニケーションについては以下の記事で色々紹介しています。

2.社外人脈を広げる

皆さんはどのくらい社外の人たちと接点を持っていますか?社外との交流を避けている人が多いのではないでしょうか?

 

たしかに社外の人たちと話すのはストレスや不安があります。しかしこの負荷が脳みそを刺激し新しいアイデアや知見をつくることに役立つのです。

 

また社外と接することで多くの副産物が得られます。交流がビジネスに結びつくかもしれないし、あなたの存在が知られてヘッドハンティングされるかもしれない。

 

社外との人脈は無限の資産を生み出します。ぜひ積極的に社外と交流を持つようにしましょう。

 

社外との接点は「リスク分散」になります。会社が傾いたら、社外人脈から転職先が見つかるかもしれません。

 

つまり、社外人脈が多ければ多いほど安定することができるのです。

3.副業

副業はとても大切です。ぜひ積極的に副業をしましょう。

 

何を副業にするか悩んだ人は、「好きなこと」を副業にしてみてください。

英語に興味がある人は翻訳であったり、文章書くのが得意な人はライティングなど。ITに興味があればプログラミングやブログ作成でもいいですね。

 

今の時代多くの会社が副業を推奨しています。お金をかければ有益なレッスンや有能なメンターコーチに習うこともできます。

そして副業で身につけたスキルと本業を掛け合わせ、自分の希少性を上げていきましょう。

4.転職・起業する

副業に触れると新しい世界が見えてきます。多くの人が新しい仕事にチャレンジしてみたいと思うことでしょう。

自分に自信がつき、新しいフィールドに向けてステップを踏もうとするエネルギーが明日の未来を創ります。

 

今や転職は売手市場です。どこの業界も有能な人材を欲しがっています。

そして希少性が高いほど多くの企業から声がかかります。給料ももちろん高い。

 

大企業で働いている人は「社内ベンチャー制度」などに手を上げて起業してみることもいいですね。

会社の資源を使ってノーリスクで自分のやりたいことにチャレンジできる素晴らしい制度です。

失敗しても失うものはありません。「起業経験」があなたの財産になります。希少性も大きく高まりますよ。

 

大切なことは挑戦すること。この考えがあればいつまでも成長し続けられます。

5.発信力を高める

難しい言葉ですが、要は「目立つ人間になれ」ということです。

 

発信力を鍛えるには希少性を磨いたり、社外人脈から得た経験を蓄えたり、副業で得た知見を本業に生かしたりしてみることです。

 

つまりインプットとアウトプットを繰り返すということです。仮説と検証を繰り返し、成功や失敗も含めて発信する・・・。

 

実体験の発信には説得力が生まれます。この説得力が人の心を動かすのです。

インプットとアウトプットを実践して本業はもちろん、SNSやブログなどで積極的に発信していきましょう。

 

必ず誰かがあなたを見ています。

まとめ - 大企業に安定を求めるのではなく自分に安定を求めよう -

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本記事のまとめ
✔大企業は安定していない!
✔今は安定という定義が変わっている
✔安定には「会社の安定」と「社員の安定」がある
✔大企業にあぐらをかくとろくな社員が育たない
✔これからは「個の時代」がやってくる
✔個の時代を勝ち抜くには「希少性」を上げることが大事

個の時代を勝ち抜くために今からしっかり準備しましょう。早く準備をした人がとても豊かな未来をつかみとれます。一緒に頑張っていきましょう!

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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